生息エリアの食物連鎖では頂点に立つウツボ。
身を潜め獲物を待ち、鋭い歯で噛みつく。
無敵ともいえるウツボの仲間で、毒を持つ種類がドクウツボです。
日本の沖縄県、特に高知県の水揚げ量は多いことで知られています。
台湾やインド太平洋の島でも食用にされています。
毒がありながらも食用の素材としても知られるドクウツボ。
ここでは、彼らの特徴について見ていきましょう。
黒い鰓と体内に潜む毒
一般的なウツボとドクウツボの大きな違いは鰓です。
ドクウツボの鰓は基本的に黒色をしており、ほかのウツボと違いを判断するときの決め手となります。
持っている毒は、ヘビのように相手の体内に注入するものではありません。
毒素のたまった身を人間が食べると食中毒を引き起こすタイプです。
ドクウツボの特徴と習性
インド洋から太平洋にかけての広い範囲に分布し、岩場やサンゴ礁に多く生息します。
体長は1.5mほどが一般的ですが、なかには3mになった個体もおり、英語名の「Giant Moray・巨大なウツボ」が示すように、ウツボの仲間ではもっとも大きくなるタイプです。
毒々しい体色はしておらず、明るい黄色または茶色の体にある黒い斑点が特徴的。
ほかのウツボと同じように、背鰭と尾鰭、尻鰭が繋がっており、胸鰭と腹鰭は退化してなくなっています。
食中毒を引き起こす「シガラテ毒」
ドクウツボが持っている毒は、食べると食中毒を引き起こす「シガラテ毒」です。
もともとドクウツボが持っている訳ではなく、毒素を持っている藻を食べた魚などを捕食することにより、ドクウツボの体内へ蓄積されていきます。
このため、すべての個体が毒を持っている訳ではありません。
毒素は筋肉や内臓に含まれており、食中毒を引き起こすと吐き気や嘔吐、筋肉の痛みなどを発症、場合によって麻痺や幻覚が起ります。
一般的に大型の個体になるほど、毒素が蓄積されているため、食材として用いるときには大きさが目安となります。
まとめ
ここまで、ドクウツボの特徴について見てきました。
ウツボのなかでは大きくなる種で、ほかのウツボとの違いは鰓が黒色であることが特徴です。
持っている毒は「シガラテ毒」と呼ばれ、食べることにより食中毒を引き起こすタイプでした。