生息する場所の食物連鎖では上位にランクするウツボ。海のギャングと呼ばれるほどですから、ほとんど無敵の状態でしょう。一方で同じ海域に生息する生き物にとっては、生命を脅かす存在ですね。
そのなかでも、ウツボの大好物はタコです。タコからしてみると最大の天敵といえるでしょう。
それでは、海のギャング・ウツボには天敵がいるのでしょうか。また仲の良い生き物はどうなのでしょう。
ウツボの天敵は?仲良しの存在とは
魚類や甲殻類、頭足類と肉食大好きのウツボが持っている習性は、岩場や空洞に身を潜めることです。同じ習性をタコも持っているため、生息域が重なりやすくウツボに狙われやすいことになります。
ウツボの鰓を吸盤でふさいで抵抗する説もありますが、1cmを超える鋭い歯にはかないません。
また、顎の奥には「咽頭顎」と呼ばれる第二の顎があり、飲みこんだ餌を食道へ運ぶ役割を担います。映画「エイリアン」の口というとピンと来る方も多いのではないでしょうか。
ウツボの天敵は人間?
釣り人やダイバーを負傷させることはあっても、ウツボにとって基本的な天敵は人間といえるでしょう。
ほかを挙げるならば、生息域の岩場や浅瀬に入り込んだ大型の肉食動物というところでしょうか。ウツボも成長段階、体の小さな時期はあります。いくら鋭い歯を持っていても、この時期には捕食されます。
仲良しさんとの相利共生
ここまでは強面のイメージ、近づく生き物はいないように思えるウツボですが、仲良しさんがいます。
ゴンズイやホンメソワケベラ、オトヒメエビやアカシマシラヒゲエビなどが挙げられ、ウツボの体についた寄生虫を食べてくれます。また、かつてはウツボの敵と思われたイセエビも実際にはパートナーの関係にあります。
タコの好物はイセエビ、イセエビを狙って寄って来たタコをウツボが捕食する仕組みです。このように、お互いに利益となる関係性を「相利共生・そうりきょうせい」といいます。
まとめ
今回は、ウツボの天敵や仲良しについて見てきました。やはり人間がウツボにとって一番の天敵というところでしょうか。ただ、油断は禁物です。あの鋭い歯に噛まれると出血は間違いないですからね。
相利共生にあるイセエビ、かつてはウツボを食べる敵とされていたことも、ちょっとしたエピソードですね。