普段、ウツボの口や顎をゆっくりと見る機会はなかなか無いと思います。
そして、その顎は甲殻類をも食べてしまうほど強力です。
ではウツボの顎は、どのような構造になっているのでしょうか。
ウツボの顎どうなっているの?
何でも食べてしまいそうな大きく鋭い歯を持つウツボですが、その顎はどのような構造になっているのでしょうか。
ウツボには口があります。
もちろん食べ物を食べるための口です。
そして、そこにはちゃんと顎が付いています。
しかし、その奥にもう一つ顎が存在するのです。
これは何のためにあるのかと言うと、獲物を二重で咥えてしまうための顎なのです。
この奥にある顎のことを咽頭顎といい、たいていの魚はまず口にある顎で餌を吸い込みます。
その後、口の奥にある咽頭顎で噛み砕き食道へ通していくという流れになります。
しかし、ウツボは体が長細いため吸い込む力があまりありません。
このため吸い込むことができないので、そのままでは食道に餌を通すことができないのです。
食道に食べ物を通すことができなければ、餌を食べることができません。
そこでウツボは食べ物を食道まで吸い込むことができなければ、引っ張り込めば良いと考えました。
その結果、この咽頭顎が前に出てくるようにしたのです。
咽頭顎はどうやって前に出てくるの?
咽頭顎は喉の奥で筋肉と繋がっています。
この筋肉の伸縮によりノドから前の方に飛び出すようにしたのです。
この飛び出した咽頭顎で獲物を捕獲し、一気に喉の奥まで引っ張り込んでしまいます。
このため、ウツボが一度捕獲した獲物が、逃げるために暴れてもなかなか逃れることはできません。
まとめ
飛び出す顎を持つ、まるでエイリアンを思い起こす顎。
ウツボはその体型のために、通常の魚類のように餌を口の中に吸い込むことができません。
そのため独自の進化をし、飛び出す顎である咽頭顎を獲得しました。
では他の魚には咽頭顎はないのかと言うとそんなことはなく、咽頭顎を持つ魚類は他にも存在するが、全てノドの奥でのみ機能している。
飛び出す顎。
飛び出す咽頭顎を持つ生き物ウツボ。
その顎はウツボにとってなくてはならない大切な体の一部です。
仮にウツボに噛まれたらただ事では済まないことは、容易に想像できますよね。
仮にウツボに噛まれたら、無理やり引き抜こうとせず、少し押し込んでみる必要もあります。
だた、絆創膏程度では済まなさそうですが。